2023/11/11 10:00

栗岩稔と人間学第九回
テーマ/あなたにも嫉妬の心ってありますよね?
残暑厳しい9月最後の土曜の午後の参加者は、
ITコンサルティング会社に自身の確立したスタイルで従事するUさん(以下U)
ベンチャー企業で忙しい日々を送りながら自身の学びを深めるFさん(以下F)
仕事と趣味のバランスをとりながら毎日を豊かに過ごすIさん(以下I)
Iさんの友人で地元関西ではメディア関連会社で報道記者を目指すTさん(以下T)
◯それぞれの嫉妬
栗岩(以下栗)みなさん、こんにちは。
今回のテーマは、あなたにも嫉妬の心ってありますよね?ですが、みなさん、あるでしょ?
U: ありますよねって言われたら、あるけどさって感じがしますね。
栗: 現代人って脳にその感情を司る線条体神経を持っていて、
これって資本主義経済が発達した今では、ほぼ全員が持つものなんですって。
その表現の仕方や出るか出ないかということ、らしいですよ。
実際、芸術家や作家は、嫉妬心から受けた力みたいなもので作品を生み出しているようにも思うし。
作家でも芸術家でもないけど、もちろん自分もあるしね。
F: えっ!あるんですか。無いと思ってました。意外ですね。
栗: あるある。出していないだけ、かな。
嫉妬という言葉については、嫉み、妬み、ジェラシー、やきもちとか、色々な解釈があるよね。
U: 前回の愛についての続きみたいですね。
栗: そうそう、だからつなげたっていうところもあるかな。
F: 自分は事前に少し調べてみたんですけど。言葉として大分古くからあるみたいで、
8世紀とか、古事記にも言葉が出てくるようですね。
だから、人間の古くからある本能、基本的な感情やねんなって。動物にもあるって言いますよね。
U: 精巧なぬいぐるみや模型に吠えたり反応したりする犬みたいなことですよね。
F: そうですね。
漢字でいうと両方とも女偏じゃないですか。昔は女性がもつ感情みたいに使われていたんですかね?
栗: 漢字の使われ方だと、漢字は男文字、平仮名は女文字だったから、
男からみた女性的な感情みたいなことだったのかもね。女偏の漢字は感情に訴えるものが多いし。
F: あー、そういうことか。確かにそうですね。
U: 今、女偏の漢字で検索したらサジェストで悪い意味って書いてありますね。
栗: 女性を目の前に申し訳ないけど、ネガティブな言葉が多いよね。
U: 怒り、妄想、妨害、妖怪とかもそうですね。
栗: そういうものって、たぶん男目線だよね。
そもそも古くから文書は男が残してきたからね。歴史書もそうだし、古事記もそうだし。
U: 漢字のお膝元の中国でも歴史学者は男だし。
栗: ね、残念ながら男しか出てこないでしょ、前面には。
○嫉妬のカタチ
U: 現実的な話しだと、同年代の中で自分より地位が高いとか、年収が多いとかを羨む人が多いですよね。
栗: 結局そこなんだよね。
I: 人と比べることにヒモ付いている感じがしますね。
栗: それが収入だったり、生活レベルだったり、容姿、持ち物、住まいとか。
F: 相手がいて自分が望んでいるものに対して、相手がそれをかなえていたら嫉妬してしまいますよね。
T: あこがれが近い気がしますけど。
自分が手に入らないと思った途端に妬みとか嫉妬てか悔しさになったりする気がしますね。
U: 羨望や愛に近い感情がひっくり返る感じですね。
F: 羨望って悪いイメージはないですよね。クリーンというか。
I: 目標みたいなものですかね。
F: ですね。目標みたいなもので、それが妬みに変わると悪い感じになりますよね。
栗: 嫉妬で人を殺す人もいるでしょ。なんか毎回人を殺す話しをしているけど、大変なことだなって。
F: 人間の負の感情の到達点みたいなことですよね。ストーカーもそうですかね。あれは愛の方か。
栗: 愛について語るFさん、何だか面白いね。
U: お金の話しをすると。
自分はコンサルティング会社にいて、一般的にみたら給与が高いほうですけど、中途入社の自分は
同年代と比べると長く勤めている人や職位が上がった人たちのほうが1.5倍ぐらい高いんですよ。
そこに折り合いをつけようと思って、相手の実績とかを知らないで単純に額面だけを見ると相当、
妬みとは言わないですけど、ドツボにはまるなって。
F: そこに嫉妬したりはないんですか。
U: 一旦通り過ぎた感じですね。
その段階で年収が上がっている人たちは、単純に長時間労働だったりするんですよ。
激務をこなしてきた人たちで、今は規制が厳しいからそうはならないですけどね。
自分は長時間労働が好きではないし、避けてきたから、そこで差が付いていても
生き方や働き方の選択の違いなのかなって考えてますね。
F: お二人は嫉妬することってありますか?
T: 今、年収の話しがありましたけど、社内ではまだ同年代で差がついたりはしていないんですけど、
広く社会的に見たら、もっと嫉妬することが散らばっているのかもしれないですけどね。
自分の同期に対しては嫉妬ではなくて、横並びで見たときに、
報道記者志望で強い意志で入った私ではなくて、違う人がいたりすることに対して、
自分で言うのも変ですけど、私でなくて誰がやるみたいな気持ちを持つことはありますね。
ただ、それって一時の感情の揺らぎだ、って頭で理解するようにしていますね。
自分が妬みや嫉妬を感じる時は、自身をコントロール出来ていない時だって考えていますね。
何で自分がこの人のここに心がざわつくんだろうって考えて、それを理解するようにして、
あんまり、そういうことに振り回されることが無いように意識していますね。
でも、思い返してみると、ちっちゃいことは色々とありますけど…。
栗: Iさんは無さそうですよね、あまり。
I: 転職してからは無くなりましたね。
栗: 前にも話したけど、良かったですね、転職して。
I: 昔からコーヒー好きで、コーヒー業界に就職したんですけど、そこから転職して。
でも、今でもコーヒー好きなので、昨日もコーヒー関連のイベントに参加していたんですけど…。
話しを聞いていると、こうなりたい、あーなりたいって思うばかりで、
まずその前に自分の置かれた環境で自分に何が出来るかって考えたほうが良いと思うんですよね。
置かれた環境で何をやっているんだろう、みたいな話しばかり出ていて。もう胃が痛くなりますね。
自分は意思が強くはないので、まず環境に自分を放り込んで、そこで何が出来るかって考えるので。
今の職場ではそういう環境にいられるので転職して良かったと思いますね。
学生時代からの話しですけど。個々の能力に差があるのに、まずは一緒じゃないですか。
勉強も運動も一緒に始めて差がついてくるので、そこに嫉妬することはあったりしましたね。
新卒で会社に入った時もまずは横並びで始まって。店舗担当だった私は淡々とこなしていたんですけど、
中には花形だったり話題の店舗に配属される人たちを見て、何であの人がって思ったりしたんですけど、
自分が頑張っても何ともならないことを感じた時には、嫉妬みたいなものはありましたね。
転職した時にはスタート地点がそもそも違うから、あまり気にすることなくいられて、
自分に合ったところに収めてもらっているなって感じますね。
だから、嫉妬はなくなりましたけど、羨望と諦めみたいなことはありますね。
これはこの人の特色で、私はないけど違うものがあるから、私は大丈夫、みたいな感じですね。
F: 確かに社会人の始まりは横並びですから出やすいですよね。
栗: 自分は横並びの経験が少ないから、わからないかな。
U: 嫉妬された側じゃないんですか?
栗: まあ、色々あったけど…。
嫉妬かどうかはわからないけど、中学で野球をやっていた時はそうだったかな。
上手くなりたくてもなれなくて、結局レギュラーナンバーをもらえなく終わったし。
大人になって、ある時期だけは女性に対して物凄く嫉妬したことがあったかな。
F: えっ、そうなんですか!
栗: あった、あった。醜いほどにね。その人と予定が合わないと、え、何で?何してるの、みたいな。
U: それって、嫉妬ではないですよね。
栗: そうね、ジェラシー、かな。
I: 可愛く言うとヤキモチ、ですよね。
栗: これ以上は恥ずかしいからブログを探して、書いてあるから。仕事の面ではない、かな、たぶん。
I: Fさんは嫉妬しますか?
F: 栗岩さんと同じで部活ではありましたね。とにかく上手くなりたくて、でも出来なくて。ダメでしたね。
社会人になってから始めの数年はありましたけど、転職してからはないですね。
ベンチャー企業で人の出入りが激しいのと、若いメンバーが多いので抜きつ抜かれつは当たり前で、
相手は相手、自分は自分として考えて、一喜一憂しなくなりましたね。
栗: 自分は世代的に終身雇用や年功序列が残っている時代から社会にいるから感じるんだけど、
あの頃のほうがあったんじゃないのかな。昭和の時代のほうが。
成果主義で評価される今と給与体系だって違うから、不平不満やいざこざが多かったんじゃないかな。
F: 確かに、そういうことかもしれませんね。
T: 私のいる業界は未だに残っていますね。
長時間労働の話しもありましたけど、長くかければかけるほど良いだろう、みたいな考え方が。
やっぱり長年勤め上げているという事実に対しては、凄いなって思いますけど、
それだけで、自分とは考えの違う人を一旦否定するようなところもあるんですよ。
そういうところは疑問に思いますね。ただ一年以上過ごしてきて、私も染まってきているなって。
それに気づいた時には寂しくなったり。順応していく社会人って大変だなって。嫉妬ではないですけど。
栗: しかも公に向けた仕事でもあるしね。
U: 歴史ある会社だし、公の仕事だし。目に見えない何かがありそうですね。今の世代には理解出来ない何かが。
T: 今の時代のメディアのあり方に対して、古くからいる人たちの考え方に違和感を覚えたりしますね。