2022/06/07 10:00
オリジナルジンを作った
まさか自分が開発をするなど思いもよらなかった
まずは、関わってくれたすべての皆さまにたくさんの感謝を込めて
ありがとうございます
しっかりと様々な場で伝えていきます、酒番として
まずはそもそも「ジンって?」の話から
明確な定義がない「クラフトジン」
元の始まりはスコットランド
新たなウイスキー蒸留所の増設とともに
広がりをみせたのが、原酒を同じくするクラフトジン
日本国内においても様々な酒造りの現場から流行の兆しが見えている
国内のそれは事あるごとに案内され紹介され試飲した
それぞれが、がんばっていると思えたし、美味しかった
が、何か府に落ちなかったし、何だかモヤモヤして疑問が残った
「ジンって、こういう感じだっけ?そもそもジンって何だっけ?」
その疑問に答えを出すために学び直し「そもそも」を考えた
その歴史は17世紀半ばに遡る
オランダの大学教授である医学博士が
薬用酒として開発したものが始まりと言われていた
他方で11世紀にはすでに
イタリアの修道士がジュニパーベリー(杜松の実)を主体とした
スピリッツを作っていたという説があり
13~14世紀には現在のオランダ周辺で
薬用酒となる原型が作られていたという説もある
それから時代が流れ、16世紀後半には文献の中に登場するジン
薬用酒として用いられ、
雑味を押さえるための甘味を加えた美味しさから
瞬く間に一般庶民にも広まっていった
オランダ語で言うところのイエネーフェ
(Jenever/Genever ジュニパーの意味)が
イングランド兵によってイギリス国内に持ち込まれ
広まったジェネヴァ(Geneve)
その愛称として「Gin」になったとのこと
17世紀に入り、オランダ総督ウィリアムが
英国王ウィリアム三世として治めていた頃
反フランス派の国王がブランデーを全面禁止した代わりに
規制緩和となった蒸留酒の製造が盛んになっていく中でも
安くてアルコール度数の高いジンは
労働者や庶民の間で人気が高まった
そして、狂気のジンの時代と言われる
「Gin Craze」がはじまり
社会問題にまでなったこの頃
「Mother's Ruin -母を堕落させるもの-」という
別名まで付いたジンとその時代
やはり、戦争、紛争、国同士の対立は
何かを生み出し何かを消し去り
犠牲になるのは一般市民で、
いつになっても変わらず繰り返される
その後いくつかの時代を経て
イメージアップのための品質向上に努め
生み出されたのがロンドン ドライ ジン
このジンがアメリカに渡り
味はもとより、カクテルベースとしての広がりも見せ
世界中に認知され
ウォッカ、テキーラ、ラムに並び
世界四大スピリッツに数えられるまでに広まった
今では英国エリザベス女王も好む酒
それぞれの町や人の歴史の中で生まれたジン
だからこそ「そもそも、ジンって?」から始めたかった
あれこれ混ぜず、あれこれ足さず、杜松の実だけで
ジュニパーベリーたくさんの私のジン
https://www.kuriiwastyle.com/items/62326860
次回はジンから広がる物語の話を
やっぱり酒番 栗岩稔